スポーツに柑橘ジュース!?
最近、スポーツ選手が“食事にオレンジジュースを取り入れる”ことが、話題となっています。私たちの身体をつくる栄養素をきちんと摂るためには、食事に様々な食品を取り入れることが基本です。なぜスポーツ選手がオレンジジュースを摂るようにしているのでしょうか。
グリコーゲンはエネルギーになりやすい栄養素
スポーツ時などにエネルギー(糖質)が必要な場合は、「グリコーゲン」が初めに使われます。グリコーゲンは、最もエネルギーに変換されやすいブドウ糖が連なった物質です。糖質は主に炭水化物に含まれており、食事などから摂った炭水化物は体内で分解されてブドウ糖となり、胃や腸で吸収され、血管に入ります。そしてそのままエネルギーになったり、一部はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯えられ、必要な時にブドウ糖に変換されます。
グリコーゲンローディングとは
食事と運動を組み合わせて体内のグリコーゲン貯蔵量を高めておく方法は「グリコーゲンローディング」、もしくは「カーボローディング」と呼ばれています。グリコーゲン含量の増加により運動可能な時間が延長され、疲労開始を遅らせることができるため、持久系種目においては有効と考えられています。「グリコーゲンローディング」には、「長期的なグリコーゲンローディング」と「急速グリコーゲンローディング」があります。
急速グリコーゲンローディング
なかでも「急速グリコーゲンローディング」は、炭水化物と一緒にクエン酸を摂取する方法です。クエン酸が解糖系のホスホフルクトキナーゼの酸素活性を阻害することを利用して、グリコーゲンがブドウ糖に分解されるのを防ぎ、効率的に体内のグリコーゲン貯蔵量を高めていきます。実験により、クエン酸を炭水化物と同時に摂取すると明らかな肝臓・筋肉のグリコーゲン貯蔵量の増加が認められています。
※出典 : Saitoh S,Yoshitake Y,Suzuki M(1983)
Enhanced glycogen repletion in liver and skeletal muscle with citrate
orally fed after exhaustive treadmill running and swimming.
J Nutr Sci Vitaminol 29:45-52
クエン酸の補給に柑橘ジュースがおすすめ
特にオレンジジュースなどの“柑橘ジュース”は、クエン酸と糖分を手軽に摂ることができるので運動1~2時間前または、運動直後におすすめです。スポーツをする人は、柑橘ジュースを上手に使い、エネルギーを体内に十分貯えて最高のパフォーマンスを発揮しましょう。